タイトルは元下関海洋科学アカデミー専務理事、榊原茂氏 VLO-2から紹介。

21世紀の幕開け共にオープンする新水族館は海峡ウオーターフロント開発の中核的な観光・レクリエーションの場として位置づけられた施設です。そのため、観光施設として要求された娯楽性と社会教育施設として要求される情報発信基地としての役割や海の保全に貢献する内容から有料ゾーンと無料ゾーンを設置し、21世紀に発展していく水族館として夜の営業など新しいタイプの展示運営構想が計画されています。その展示概念は下関の成り立ちが海と深く関わってきたことから「海のいのち・海といのち」と非常に大きな課題を掲げ、また永遠のテーマである「海との共生」を基に生命のすばらしさ、自然保護・保全の大切さについて理解を深めるものとして構成されています。中でも目玉となる展示は「シロナガスクジラ」の骨格標本です。ノルウェー国立トロムソ大学附属博物館が所有するシロナガスクジラの骨格標本を日本が借り受けることとなり幾つかの候補地から下関市へ決まったのです。

明治30年代にノルウェーから導入された近代捕鯨によって発展してきた捕鯨基地の下関に2001年春にオープンする新水族館が最も相応しい施設であることからノルウェー政府と日本政府の間で、この骨格標本賃借に対する調印式がトロムソ大学で行われました。

このシロナガスクジラの骨格標本は113年前に北大西洋で捕獲され、トロムソ大学が骨格標本として入手し保管されてきた貴重な標本です。

シロナガスクジラは最も大きなもので体長が35メートル、体重が100トンにもなる地球上で最大の動物です。今回展示されるのは体長25メートルと若い個体です。それでも広い展示ホールをいっぱいにしてしまう大きさです。
日本では下関だけの展示となります。以上が初代海響館館長となった榊原氏の記事ですが、これには前段があります。
私は1999年春に下関市議会議員に就任しました。仲間と4名で無所属会派新風会を結成、議会に新風を吹き込みました。会派会長は坂本昭二郎氏(下関旅館組合組合長)でした。観光を得意とする坂本氏はシロナガスクジラの展示が特別ホールではなく、目立つ展示ではないことに疑問を持ちました。坂本議員は下関くじら食文化を守る会とともに設計がすでに終わっているという市役所関係者を説得、議会を巻き込んで展示ホール建設へと導きました。今となってはほとんどの人が忘れている出来事ですが、海響館建設には多くの関係者の尽力があったことを我々は忘れてはいけないと思います。私がささやかでも「くじら百話」を始めたことは、これら歴史に残らないくじらの話の紹介もあるのです。