くじらは大きくヒゲクジラ類とハクジラ類に分けられということは前回お知らせしました。今回はそのハクジラのお話です。
ハクジラ類は、歯を持つクジラであり、魚やイカなどを食べます。ヒゲクジラに比べて体は小型ですが、運動能力が高く、知能が発達している種類が多いのです。また音の反射(エコロケーション)という能力を使い周囲の状況を把握することもできます。代表的なハクジラには以下の種類があります。
(1)マッコウクジラ。大きな四角い頭が特徴で、太平洋側の深い海に住んでいます。深い海まで潜ることができます。主にイカ類を食べていますが、その中でも自分の大きさ程もあるダイオウイカを捕食します。
(2)シャチ。ハクジラ類の中でも最も有名で、群れで高度な協力活動を行います。北海道の知床半島などで有名です。魚だけでなく、アザラシや他のクジラを襲うこともあり「海の最強捕食者」と呼ばれています。
(3)イルカ類。イルカもハクジラ類です。社会性が非常に高く、人間との関りが深いことで知られています。沿岸近くで見られ人に身近なくじらです。関門海峡で見られる「スナメリ」もこの仲間です。
ハクジラの仲間で一番大きな種類はマッコウクジラです。巨大な箱のような頭をもっているのが大きな特徴です。この頭の中に「脳油」と呼ばれる特殊な油の袋があり、この「鯨油」が非常に貴重な資源だったのです。通常の鯨油のみならず脳油がすぐれた潤滑油だったのです
なぜマッコウクジラにだけこの脳油があるのか、よくわかっていません。
有力な説はこの脳油を潜水と浮上の時の重しに使っているという研究です。
マッコウクジラはくじらの仲間の中で大潜水をします。2千mの深さまで90分で潜るといわれています。脳油は温度によって固まったり柔らかくなったりしますので、潜る時に鼻から冷たい海水を入れ、脳油を固めます。浮上する時には血液で温めて脳油を溶かし浮上するというものです。
またマッコウクジラは大きな音(声)を出して水中で周囲の様子を探ったり仲間と交信します。マッコウクジラの脳油は光を集めるレンズのように音を集めて前方に発射します。元下関市くじら研究室の石川博士の研究ではこの音で巨大なイカを気絶させて捕食するという説があるということです。21世紀の現在になってもクジラのことはわからないことだらけだそうです。それゆえクジラを研究する科学者たちは、くじらに対してたまらない魅力を感じているというのが石川先生の言葉です。