下関くじら食文化を守る会の機関誌に「いさな」という冊子があります。正確にはありました。1号創刊は1998年、最終は21号2019年です。20年間、会の総力をあげて毎年発刊し全国に下関くじら食文化を守る会ありとアピールした冊子です。残念ながら和仁会長のご逝去や担当していた事務局長の県外転出などにより休刊状態です。私は会長として我が会に著作権のあるこの「いさな」を再び世に出したいと考えました。復刻版を出せば良いのでしょうが経費面、時代の変遷もあります。会長責任として主な内容を紹介しようと思います。くじらを取り巻く世界情勢は激変しましたが昔の活動や現代に至る流れを「いさな」を通じてまとめてみることとします。

今回は1号1998年10月の創刊号からです。巻頭言は古川薫先生です。
タイトルは「胸を張ってクジラを食べよう」。以下紹介します。

塩クジラのステーキは、ぼくらにとってメーンディシュだった。戦後の飢餓時代を過ごした青春の思い出とともに、クジラは今もぼくらのメニューのなかにいる。悠々と大海を泳ぐ巨体からもらい受けた天の恵みが、廃墟から立ち直る日本人のエネルギー源となった。ぼくらは生きるために、クジラを食ったのだ。
日本人は古くからクジラに感謝しながらその肉から動物性蛋白質を補給し、命の糧としてきた。クジラが可哀そうだ残酷だとして、捕鯨に反対しているのはかって野牛を大量に殺して絶滅に追い込んだ人たちだ。そして油をとった後のクジラは、大部分海に捨てるという残虐な捕鯨の歴史をもつ人たちである。
生きるために他の生物を摂取して新しい血肉に再生していくのは、自然界における厳粛な生命の循環である。調査捕鯨の名目による捕鯨が行われている。
しかし、なんとなく後ろめたそうな空気が、送り出す側にも感じられるのは実に残念なことだ。日本人は胸を張ってクジラを捕り、海の幸に感謝して、堂々とその美肉を賞味すればよいのだ。一民族の食習慣を批判し、反対する権利はだれにもないのである。以上。

会報「いさな」の発刊にあたって。下関くじら食文化を守る会代表、中原郁生。
下関くじら食文化を守る会のシンクタンクともいうべき会報「いさな」(勇魚・鯨魚)が会員皆さんの手により創刊されました。本会は昨年理事会を結成、この間の活動は①下関さかな祭りへの参加と鯨肉の公益販売、②学校給食へ鯨肉導入の協力、③捕鯨母船入港歓迎。特に母船の入港見学は全国一の1万3千人の参加がありました。現在IWCのきびしい監視のもとで調査捕鯨が続行されていますが、下関の活性化をはかる鍵の一つが商業捕鯨の再開です。水産都市下関の三大名物であるフク・ウニとともにクジラも早く浮揚させたいものです。