「ヒゲクジラ」の仲間は、シロナガスクジラやナガスクジラ、ザトウクジラなど、どちらかと言えばみなさんが「クジラ」と聞いて想像するクジラが多いと思います。上あごのヒゲ板は、大量のエサをこしとるために使われるのです。
シロナガスクジラはすべてのクジラの中で一番大きなクジラです。どのくらい大きいかというと、これまでの記録があるシロナガスクジラの中で最大の体長は33メートル、体重は150~200トンと言われています。体長がはっきりしているのに、体重に大きな幅があるのは、あまりに大きすぎて21世紀の現在まで誰もこのクジラ1頭を丸ごと体重計にのせたことがないからです。
もっとも、くじらの仲間は一日に体重のおよそ4%分ものエサを食べると言われています。この計算だと、シロナガスクジラは食前と食後でトラック2台分(6~8トン)も体重がかわるわけで、あまり正確な体重にこだわることもないかも知れません。
このクジラは地球が宇宙に誕生して以来、この星で生まれてきたすべての生物で最大、すなわち地球史上最大の生物であるといえます。
「クジラをめぐる冒険 石川創」より紹介
このくじら百話は「クジラをめぐる冒険」の著者石川創氏より時々紹介しています。「下関くじら食文化を守る会」を今まで支えてこられた先人の記録を紹介し後世に残すことも会長の仕事だと思い取り組んでいます。石川さんは下関市鯨類研究室長として活躍されました。経歴を簡単に紹介すると大学卒業後、獣医師として水族館に勤務されました。その後、日本鯨類研究所に入社、長く南極海での調査捕鯨の仕事をされました。その間、船団長として活躍された学者です。新しいことを始めたいという気持ちから2012年、私が市長の時にたまたま、かってくじらでにぎわった下関市が再び「日本一のくじらの街」を目指していることを知り、私あてに長い手紙を頂きました。そこにはクジラに対する深い造詣と研究意慾、そして何より下関という街が好きなのですと書かれてありました。石川さんは2002年5月、下関市で開催されたIWC国際捕鯨委員会総会準備のため何度も下関を訪れました。そのころから下関の街が好きになったということです。
下関市では新たな取り組みを模索していたところで石川さんを迎え「鯨類研究室」を立ち上げました。本市では研究室での本格的な仕事はもちろん、山口県や水産大学校の船でのくじら調査、研究論文、研究発表、市民対象の「くじら塾」、小学校などでの出張授業を何年も継続されました。私が市長退任後、定年を迎えられ現在は和歌山県のイルカ研究所で再び獣医師として活躍中です。